妊娠・出産を通じて変わった価値観
妊娠・出産を通じて変わった価値観
命を育てることの責任と重み
出産は比較的安産でしたが、育児は想像以上に大変でした。とくに最初の半年間は、子どもの夜泣きによる慢性的な寝不足が続き、頭痛や体調不良に悩まされました。 授乳中で薬も飲めず、ただ耐えるしかない日々。上の子は寝つきが悪く、何をするにも手がかかる子でした。ですが、そんな中でも、命を育てているという実感と責任の重さが自分の内面を大きく変えていきました。目の前の命を守るというシンプルで確かな使命感が、それまでの価値観を塗り替え、私の中に新たな軸を生んでいったのです。
キャリアから一歩引いたことで見えてきた世界
キャリアから距離を置いたことによって、これまでの自分では気づけなかった喜びや充実感を得ることができました。日常のささやかな瞬間に幸せを見出す感覚は、育児を通じて得られた大きな学びです。
幼少期の育児で学んだこと
毎日が体力勝負だった2人育児
専業主婦としての生活が始まり、最初の数年はとにかく子育てに追われる毎日でした。
上の子は男の子で、とても活発。2歳違いで下の子が生まれた頃は、上の子を連れて毎日のように公園通いをしていました。泥だらけになって遊ぶ日常。走り回る上の子を追いかけながら、抱っこ紐で下の子を抱えるという、まさに体力勝負の日々でした。
大人になってから一番痩せていたのもこの頃。毎日が目まぐるしく過ぎていき、自分の時間などほとんどありませんでした。この時に思わず口にした言葉は「仕事している方が楽じゃん!」あんなに緊迫した中での辛い仕事でしたが、自分の時間がある。これはとても幸せな事だった。とまで思ってしまいました。
自然の中で気づいた季節の変化
「上の子が2歳の頃、あまりに忙しすぎてこのあたりの記憶がない」と感じるほど、余裕のない日々。でもふとした瞬間に、空の青さや、季節ごとの花の彩り、庭先に実ったキウイに気づき、「ああ、こんなに季節って移り変わっていたんだ」と、 自然の美しさを再発見できた時間でもありました。
子どもとの生活はもちろん大変ですが、すべてが初めての経験で、とても新鮮で楽しいものでした。育児の中で一つひとつの成長を感じるたびに、驚きと感動があり、「子育てって尊いな」と思える愛おしい日々でもありました。
人とのつながりが育児の支えに
自治体の支援制度を最大限に活用
地元を離れ、両親に頼れない環境での子育ては孤独になりがちです。私が住んでいる地域は、他県から移り住んできた家庭が多く、似たような境遇の方が多かったのが救いでした。市の自治体による子育て支援制度や、地域での預かり保育、検診を通じたママ同士の交流イベントなどがとても充実していて、たくさんの助けを得ることができました。