子供の成長と共に始まったレストランのバイト、偶然の出会いが転機に
社会復帰の第一歩はランチタイムの短時間バイト
新しい職場
子どもが小学校と幼稚園に通い始め、少しだけ自分の時間が取れるようになった頃、「そろそろ外で働いてみようかな」と思い始めました。家にいる時間が長かった10年近くのブランクもあり不安でしたが、子どもたちの成長に背中を押される形で、再び社会と関わる一歩を踏み出すことを決意します。目を通したアルバイト情報サイトで見つけたのが、徒歩圏内にあるレストランのランチタイムスタッフ募集。勤務時間は1日3時間程度、週に数日のシフト。飲食業での経験は一切なかったものの、ブランク明けの私にとっては「家から近い」という点がとても魅力的でした。
接客業の難しさとやりがいに直面
思い切って応募した結果、無事採用。社会とつながる第一歩を踏み出すことができました。採用後すぐに現場に入りましたが、最初は右も左もわからず戸惑うことばかり。注文を取る手は震え、トレーを持つ手もぎこちない。飲食店での接客は想像以上に難しく、 気配りやスピードが求められる現場に戸惑いながらも、一つ一つの業務を真剣に覚えていきました。
ここも昭和感が漂う職場で次に何をするのかがわからずモタモタしていると、オーナーに怒鳴られることもありました。 大人になってから怒鳴られることは結構心に刺さるものでした。けれど、お客様からの「ありがとう」の一言や、スタッフ同士のフォローに支えられ、少しずつ自信をつけていきました。 何より、社会の中で自分が「必要とされている」と感じられることが大きな励みになったのです。
偶然の出会いがキャリアを動かす転機に
偶然の出会い
そんなある日、常連のお客様の中に、近くの研究所で部長をされている方がいました。
何度か接客するうちに自然と会話が増え、私のブランクのことや、再び働き始めたことなどをお話しする機会がありました。
「うちに来てみない?」が開いた新たな扉
その方との何気ない会話の中で、「うちの研究所でも事務の補助を探してるんだけど、もしよかったら来てみない?」と声をかけていただいたのです。突然のことに驚きつつも、これまでの経験を活かせるチャンスだと感じ、後日面接を受けさせていただくことになりました。さらに会話を重ねていくうちに、思いがけないご縁が発覚しました。なんと、その方と私の地元が同じであることがわかり、さらにその方のおばあさまが、私の短大時代に英語を教えてくださっていた先生だったのです。まるで点と点がつながるような感覚を覚えました。ただ、このご縁を「偶然のラッキー」と済ませたくはありません。レストランの仕事に誠実に取り組み、接客に向き合ってきた日々があったからこそ、生まれた信頼がこのチャンスを運んできてくれたのだと、今でも感じています。
この出会いが、私の第二のキャリアの扉を開くきっかけとなりました。