「この先どうする?」任期付き職員4年目に訪れた転機
見えてきた「5年満了」の現実と不安
国立大学で任期付き職員として働き始めて4年目。
少しずつ職場にも慣れ、仕事にも自信が持てるようになってきた頃、ふと「この仕事もあと1年で終わるんだ」と、5年の任期満了が現実味を帯びてきました。ありがたいことに、大学側からは2つの選択肢を提案されていました。60歳定年の正規職員を目指す採用試験を受けてみないか?一度退職したあと、少し休んでから再び同じ部署で働かないか?どちらもありがたいお話でしたが、私の中ではすぐに答えが出せませんでした。
50歳目前。次に進むなら「今しかない」
このとき、私はちょうど50歳を迎えようとしていました。
仮にもう一度5年働けたとしても、その次の再就職は50代半ば。再び自分の希望に合った職場が見つかる可能性は高くありません。ちょうどこの時期、子どもが私立大学への進学を決めたこともあり、「今後の教育費のことを考えると、やはり正社員として、安定して働ける環境を目指したい」と考えるようになっていました。
思いがけない新たなご縁 ― 私立大学からの声かけ
「あなたにお願いしたい」信頼から始まったお誘い
そんなタイミングで、担当していた教員から、こんな言葉をいただいたのです。「実は今、知り合いの私立大学で、大学事務の経験者を探してるんだけど…どうかな?」最初は正直、「私なんかが…」と思ってしまい、丁寧にお断りしました。
ですが先生は、「お話だけでも聞いてみてよ。損はしないと思うから」と、あたたかい言葉をかけてくださり、採用担当者の方と教員を交えて顔を合わせることになりました。
仕事内容も、雰囲気も「ここで働いてみたい」と思えた
実際にお話を伺った印象は、これまでの職場とはまったく違いました。新設大学のため、業務フローをゼロから一緒に作っていく環境マニュアル通りではなく、自分の経験を活かして工夫できる職場これまでの大学事務経験を100%活かせる仕事内容採用担当の方・教員ともに温かく、誠実な印象すぐに決断はできませんでしたが、「ここでなら、もう一度頑張れるかもしれない」と思える出会いになったのです。
迷いながらも出した、人生の次の決断
その後も、無理に急かすことのない丁寧なメールのやり取りが続き、私はついに「このチャンスに賭けてみよう」と決心。採用試験に挑戦することを決めました。
そして迎えた、新たなスタート
50代からのチャレンジ、今の職場で再出発
数ヶ月後の春、私はついに今の職場に正社員として入社することになりました。
立場は年俸制の平社員。でも、これまで積み重ねてきた経験や思いを活かして働ける今の環境に、深い充実感を感じています。