最初の配属先での仕事と学び

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最初の配属先での仕事と学び

配属先は大型店舗、華やかさの裏にある厳しさ

最初に配属されたのは、家から一番近い大型店舗でした。まだ学生気分が抜けきらないままの私は、一見華やかに見える銀行の現場に戸惑いました。
実際には時間との戦いで、まさに戦場のような毎日。絶対にミスは許されず、緊張感に満ちた職場で胃がキリキリするような日々を送っていました。

毎日の叱責と支えとなった人間関係

当然、ミスも多く、毎日のように上司や先輩に注意を受けていました。今の時代のように優しい指導ではなく、厳しく叱られることも少なくありませんでした。
それでも辞めずに続けられたのは、勤務後の人間関係のおかげです。
仕事中は厳しい上司や先輩たちも、仕事が終わればまるで別人のように優しく接してくれました。 美味しいご飯に連れて行ってくれたり、落ち込んでいると野球観戦や映画に誘ってくれたり。そうした支えがあったからこそ、私は前向きに仕事と向き合うことができたのです。

失敗から学んだ「報告・連絡・相談」の大切さ

新人時代に忘れられない教えのひとつが、「失敗を隠さないこと」。ある時、私はミスをしてしまったのですが、怒られるのが怖くて自分でなんとかしようと隠そうとしました。
しかし、すぐに先輩に見つかってしまいました。
そのとき先輩から言われたのが、「失敗は報告さえしてくれれば、私たちがなんとかできる。でも隠されたら取り返しがつかなくなることもある」という言葉でした。
その一言に、私はハッとさせられました。以後、報告・連絡・相談、いわゆる「ほう・れん・そう」の重要性を実感し、仕事の基本として強く意識するようになったのです。

ミスとその乗り越え方

ミスを繰り返す中で、私はあることに気づきました。それは、「先の先を読んで行動することがミスを防ぐ鍵になる」ということです。
ただ目の前の作業をこなすのではなく、一歩先、さらにその先を予測して準備することで、ミスのリスクを大きく減らせるようになりました。
また、特に数字入力の業務においては、自分なりのルールをあみ出してミスを防ぐ工夫を重ねました。
たとえば、数字は3桁ごとに区切って心の中でつぶやきながらリズムに乗って入力する方法を実践しました。このようにして、単純作業に見える業務にも自分なりの工夫を取り入れることで、着実にスキルと自信を身につけていったのです。

ストレスとの向き合い方と時間の使い方

忙しく張りつめた平日を過ごす中で、ストレスとの付き合い方も自然と身についていきました。
私は休日を「何もしない日」と割り切ることで、心身をリセットするようにしていました。一人でカフェ巡りをしたり、本を読んだり、のんびりと紅茶や中国茶を楽しんだり。
あえて予定を入れず、ゆっくり過ごすことが、翌週への活力につながっていました。
また、限られた休日の時間をどう過ごすかを考える中で、私はあることに気づきました。それは「自分の時間は、本当に大切な人のためにしか使えない」ということ。
そして、「誰が自分にとって本当に大切な存在なのか」が、次第にはっきりと見えてきたのです。 この気づきをきっかけに、私は人間関係を見直しました。自然と、心から会いたいと思える人だけと過ごすようになり、そうでない人とは徐々に距離を置くようになっていきました。
その結果、本当に大切な友人や家族との関係がより深まり、「この人たちを大切にしよう」という想いが強くなりました。時間の使い方やお金の使い方も、この気づきともに変化していきました。
美味しいものを一緒に食べたり、ショッピングを楽しんだり、旅行に出かけたり――。大切な人と過ごすそうした時間こそが、私にとって一番のストレス発散であり、何よりの幸せだと実感するようになったのです。
ちなみに、このとき「大切にしなくては」と感じた友人とは、今でも親友として深いつながりが続いています。

仕事に全力で取り組んだ先に見えたもの

仕事を誠実に、目いっぱい頑張った結果、お給料やボーナスにダイレクトに反映されました。努力が報われる実感が持てたことに加え、周囲の信頼も得ることができ、私は充実したOL生活を送っていました。
しかし、走り続けているうちに、どこかで精神的にも肉体的にも少しずつ疲弊している自分に気づき始めていました。
そんな30代を目前に、ご縁があって結婚することになり、住んでいる地域を離れることになったため、私は退職を決意せざるを得ませんでした。
そのとき、上司から言われたある言葉が、今でも忘れられません。 「あなたは今は、家庭に入って主婦になるかもしれないけど、働くべき人だと思うよ。世の中のためにいずれは働きなさいね。」
その頃の私はまだ若く、その言葉の意味を十分に理解することはできませんでした。しかし、ある時ふと思い出したその一言が、年月を経て私の原動力となり、今の私へとつながるきっかけとなったのです。

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