非常勤でも任された、思わぬ“大仕事”

仕事内容

非常勤でも任された、思わぬ“大仕事”

非常勤職員だからといって、「軽い仕事」だけが与えられるわけではありませんでした。

責任ある仕事

子育て中の主婦として、限られた時間で働いていた私ですが、国の研究機関における調達業務では大きな責任の伴う仕事を任されました。

国立研究所での調達業務とは

調達業務

私が配属された部署は経理部門調達です。どのような部署かと言うと、研究者が必要とする機器や消耗品などを、適切な手続きで購入するお手伝いする部署となります。
ただ「買う」だけでなく、予算管理、入札、納品確認など幅広い業務に携わりました。ここでは、私が担当していた実際の調達業務についてご紹介します。

少額物品の調達と検収

研究者の希望を正確に受け取り、迅速に対応
日々の業務では、研究者から「この商品を買ってほしい」という依頼が寄せられます。少額のものであれば、事前の見積もりや契約が不要なケースも多く、比較的スピーディーに処理することが可能です。

購入後の「検収」も大切な業務

商品が納品された後は、依頼された内容と合っているかを確認する「検収作業」を行います。
「本当にこの品物で間違いないか」「不具合はないか」など、丁寧に確認し、研究者にも確認してもらったうえで、最終的な支払手続きに進みます。

高額商品は「入札」での対応に

入札のための書類作成と公告
高額な物品(契約額が一定額を超える場合)は、入札による調達となります。
私たちの仕事は、まず入札に必要な書類を作成するところから始まります。仕様書、見積依頼書、公告文などを整え、正式に公告を出します。

公正な選定と、納品後の確認までが業務範囲

入札で決まった業者から商品が納品された後も、「仕様通りの商品が納入されているか」という最終確認を行います。単なる書類対応だけではなく、現場での確認も含まれるため、丁寧で正確な対応が求められます。

よりよい商品を、より安く:価格交渉も大切な役割

多くの企業にあたる「情報収集」がカギ
少額でも高額でも、より良い商品を、より安く購入する努力は欠かせません。
カタログやウェブサイト、口コミなどをもとに、できる限り多くの業者にあたり、最適な価格と条件を探します。

値引き交渉も業務のひとつ

見積書を取ったあとには、値引き交渉を行うことも重要な役割です。もちろん、無理をせず、相手の立場も考えたうえで、少しでも研究費の負担を軽くできるよう工夫します。

限りある研究費を、有効に使うために

研究費は限られた予算の中で運用されます。
だからこそ、1円でも節約できれば、研究者が他の必要な備品や機材に回すことができるのです。

私はこの「お金の使い方を工夫して、研究の幅を広げるお手伝いができる」ことに大きなやりがいを感じていました。
間接的であっても、研究の前進に貢献できることは、調達業務の大きな魅力の一つです。

まとめ:調達業務は“裏方”でありながら、研究を支える大切な仕事

調達業務は一見地味ですが、「買う」ことで研究の土台を支える、縁の下の力持ちのような存在です。
研究者の意図をくみ取り、予算の制約の中で最善の選択をしていく——
この地道な積み重ねこそが、国立研究機関で働く醍醐味であり、私が誇りに思っている仕事の一つです。

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