私のキャリアのはじまり:憧れのOL時代
新卒での就職活動の苦労と希望
短大進学を選んだ理由と就職観
平成初期、まだまだ女性は「お茶くみ」「コピー取り」といった業務が当たり前とされていた時代。 男女の働き方に明確な差が存在していました。そんな中、私は「大学よりも短大のほうが一流企業への就職に有利」 という世間の風潮に影響され、短大進学を選びました。 高校生の私はまだ現実を肌で感じていたわけではなく、ただただ「短大に入れば、素敵なOLになれる」と、漠然とした憧れを抱いていました。思い返せば 当時はバブル経済の絶頂期。トレンディードラマが流行し、DCブランドの洋服が街にあふれていた、そんな華やかな時代でした
バブル崩壊と求人激減の現実
ところが、私が短大に入学してまもなく、バブルは崩壊。目の前の景色が一変しました。かつて多くの求人票が届いていた短大に、ほとんど求人が来なくなったのです。まるで潮が引くように、一流企業の募集が消えていきました。 当時の私は、その重大さにすぐには気づけず、「なんとかなるさ」とどこか他人事のように構えていました。
大手企業への挑戦と現実
それでも諦めきれず、たまたま親戚のつてで大手損害保険会社の採用試験を受けられることに。面接会場には約100人もの応募者が集まり、「今回は“この人だ”という人がいれば1人だけ採用します」との説明に愕然としました。 結果は当然のように不採用。そのとき、ようやく私は現実を真正面から受け止めることになります。 「もう選り好みしている場合ではない」。そう心に決め、最初に内定をもらった企業に就職する決意を固めました。
銀行への就職と入社までの準備期間
不採用の通知を受け取った私は、落ち込んでいる暇もなく、通信系、インフラ系、銀行など「受けられるところはすべて受ける」という気持ちで就職活動を続けました。選んでいる余裕はもうない、というのが正直な心境でした。そんな中、幸いにも複数の企業から内定をいただくことができました。その中で、最も早く内定をくれた都市銀行に就職を決めました。当時は「スピードが大事」と感じていたので、迷わずその企業に決めたのです。 入社まではおよそ7ヶ月ありましたが、その期間は不安と期待が入り混じる複雑な時間でした。社会人としてうまくやっていけるのか、自分に銀行の仕事が務まるのか、心の準備を少しずつ進めながら新生活に備えていました。